人を動かす事に通じます。アイデアの宝庫。『仕掛学』松村 真宏
そもそも、「仕掛け」とは?辞書で引くと、、
仕掛け・・・①やりかけであること。「ーの仕事」
②他人に対して働きかけること。「相手のーを待つ」
③物事をある目的に合わせて、作りこしらえる事。
A. 装置、カラクリ。
B. 釣り糸の組み合わせた仕立て。
C. 「仕掛け花火」の略。
④打掛・掻取の称。
⑤やり方、駆け引き。
⑥ごまかし。
⑦ 用意。準備。
著書は②③の意味合いが強い。
そこで仕掛けについて多くの視点から具体的な事例を用いてアプローチし分析しています。
そんな仕掛学はビジネスにも通じるアイデアやヒントが満載です。まだまだ仕掛学は発展途上という事ですが、仕掛けには人間の行動心理、視覚・嗅覚の五感に訴えるものなどの様々なトリガーがあり、それにより人間を誘導させる力があるそうです。
一つ仕掛けの事例を紹介します。ある街で路上駐輪で困っている駅前があったそうです。
「無断駐輪禁止」の注意喚起の札を掲げてても、ほとんど効果があがらなかったそうです。
そこで、駅前の路面に手書きの花壇のトリックアートを施したそうです。それにより無断駐輪は激減しました。しかも、何より考えたアイデアは当時小学2年生!!
あくまで「手書きの花壇」ですが、その上に自転車を置くのは、心理的に憚れるので効果的だと思います。
昔の童話の「北風と太陽」と同じ原理ですね。「置くな」と注意喚起をしても反感し人間は自転車を置いてしまう。そこに置くとこういうマイナスになりますよと注意喚起します。そうすると太陽のように燦燦と照りつける事で、自然と厚いコートを脱がせ促す事が出来るのですね。
著者が色々とこういう事例を紹介してくれます。思わずこんな事までと納得してしまいます。ビジネスや様々な事に応用出来れば、きっとこの本で読んだ事が役に立つ事でしょう。